保健師の仕事の一つ「企業の健康管理室」
一言で健康管理室といっても、企業によって健康管理室の業務に特徴がみられます。
そこで今回は運転業務のある会社の健康管理室についてお話をしようと思います。
運転業務のある企業とは…
最近はニュースで運転に関する事故をよく聞きます。
そのような中で、運転業務のある会社は特に社員が安全に業務が遂行できるように健康管理に力を入れている所が多いです。
そこで近年では運転業務のある会社の健康管理室の重要性が高まってきています。
例えば運転業務のある会社の例を挙げると、
・鉄道運転従事者
・タクシー運転手
・観光業
・トラック運転手
などがメインに挙がってくると思います。
タクシーや観光業ではお客様の送迎や、トラック運転手の場合は長距離運転もあります。
事故を起こしてしまうと、自分だけでなくお客様や周りの方も巻き込む可能性が非常に高くリスクが大きいので会社としても責任は重大となってきます。
そこで社員の方が安全に運転業務が遂行できるようにサポートするのが健康管理室の役割となるのです。
仕事内容について
ではここからは実際の仕事内容についてお話したいと思います。
基本となる健康管理室の業務は変わりないですが、基本の業務にプラス重要となってくる運転業務従事者への配慮が重要となってきます。
具体的には事後措置の様に健康診断の結果から受診勧奨を行ったり、また就業上の措置を産業医へ確認することになるのですが運転業務の場合、特に健康診断の結果や通院歴の中で確認しておく重要ポイントが何点かあります。
それは高血圧、心電図異常、糖尿病、高脂血症です。
もちろん他の項目でも健康診断の結果や主治医の診断書の内容によっては就業制限がかかることもありますが、まずは上記の4項目を押さえておくことが重要です。
・高血圧
高血圧を放置することで動脈硬化が進み脳血管疾患などの血管障害のリスクが高まるため
・心電図
心疾患のは急に症状が現れることがあり高リスクなため
・糖尿病
糖尿病を放置することで抹消神経障害が進み、運転事故のリスクが高まるため
・高脂血症
高脂血症を放置することで動脈硬化が進み脳血管疾患などの血管障害のリスクが高まるため
また国土交通省の健康管理マニュアルでも上記項目と運転の因果関係について高リスクがあることがまとめられています。
このように運転業務に影響のおそれがある項目に対しては早期の介入が大事となってくるのです。
実際に働いてみて感想
運転業務のある会社の健康管理室業務の重要性はご理解いただけたと思いますが、実際現場で勤務されている保健師の声も気になると思います。
なので今回、実際にタクシー会社の健康管理に従事されている保健師Aさんにインタビューを行ってきました。
Aさんのお話からタクシー会社の健康管理室業務について少しイメージがしやすくなったのではないでしょうか?
一言で健康管理室といっても会社によって特色があり幅広く対応しなければなりません。
健康管理室で働きたい!と思っている方の参考になればと思います。